自費リハビリの効果的な活用方法について

現在、様々な方に自費リハビリサービスをご利用いただいておりますが、ご利用者様が自費リハビリをどのように活用しているかについて、少し紹介させて頂きます

自費リハビリの必要性とは?

まず、改めて自費リハビリの必要性について整理しておきたいと思います。

私見にはなりますが、自費リハビリが必要な背景としては大きく二つあると考えています。

一つ目は、「医療保険制度上、リハビリ期間に制限がある」ことです。
脳卒中などを発症すると、急性期・回復期の病院を経て、退院し必要に応じて外来リハビリが行われます。
しかし、医療保険制度上、リハビリ期間が定められているため、”リハビリを医療機関で継続して受けたくても継続して受けることができない”ということが起こります(例外はあります。)
このような方に対して、自費リハビリは一つのリハビリの場として重要な位置づけになると考えております。

二つ目は、「介護保険制度上、多様なニーズに対応しにくい」ことです。
医療保険でのリハビリが終了すると、介護保険のリハビリに移行していくのが、今の日本の制度上の流れになります。

介護保険でのリハビリは、訪問や通所などその方のニーズに合わせたサービスがケアプランをもとに提供されます。
介護保険によるリハビリは、マンツーマン時間を十分に確保することが難しいなどの課題があります。
また、通所の場合は集団で時間を過ごすことになるので、第2号被保険者(40~65歳)やさらに若い年齢(40歳以下など)の障がいを抱える方々にとっては、ニーズとマッチしにくいという問題が生じているケースは少なくありません。

自費リハビリに通われている方の多くが介護保険サービスも利用されています。
介護保険制度上だけでは、満たしきれない部分を自費サービスにて補うことができるという点において、自費リハビリの必要性はあると考えております。

自費リハビリについては、こちらの記事にも書いていますので、詳しくはこちらをご覧ください。
https://www.pieces-ccp.com/column/detail/?id=204





 

自費リハビリの効果的な活用方法

それでは、どのように自費リハビリを活用するのが良いか、当施設ご利用者様の例をもとに今回は6点について書いていきたいと思います。


①介護保険と併用し、リハビリの量を確保する
前述したとおり、当店にも多くの方が介護保険のサービスをご利用されています。皆様にお話を伺うと、ほとんどの方が、介護保険によるリハビリには満足をしていらっしゃいます。その上で、「リハビリの量をもっと増やしたい」「自分に適したプログラムを知りたい」などをご希望され、当施設にお越しいただいている方が多いです。

例えば、片麻痺の機能回復を目指すにあたり、適切な頻度として週3日以上、1回60分以上のリハビリなどが推奨されます。介護保険でのリハビリに加えて自費リハビリを週1~2回追加することで、必要なリハビリの量を確保するということができます。

②ボトックス後のリハビリとして活用する

当施設ご利用の半分以上が脳卒中後のリハビリを必要とされている方々です。
その中の多くの方が、大学病院にてボツリヌス療法を受けていらっしゃいます。
ボツリヌス療法とは、片麻痺などに生じる”痙縮”と呼ばれる筋緊張異常に対して、過剰に亢進した筋緊張を抑制する目的で行われる専門的な治療法です。
多くの方が、ボツリヌス療法を目的に専門的な病院へ外来受診されていますが、ボツリヌス療法と合わせてリハビリを外来で実施することは難しいケースが多いです(前述した医療保険制度上の期間の問題により)。
ボツリヌス療法後、痙縮の症状は緩和されますので、痙縮が緩和した状態でリハビリを進めることは重要になります。
ボツリヌス療法後の経過を追いながらリハビリを実施するために、自費リハビリを活用する方も多くいらっしゃいます。
この場合は、当施設ではリハビリの経過などを記載した経過報告書をご利用者様にお渡しし、受診時にご本人から担当医師へお渡ししていただき、情報共有を紙面で実施するなどの対応をしております。

③介護保険サービスを利用していない方が新たなリハビリの場としての活用する
40歳以下の方が何かしらの原因でリハビリが必要となった場合、介護保険サービスの利用はできません。この場合、障害者総合支援法に基づくサービスが適応となりますが、サービスを受けられる施設が住まいの近くにないなど、利用環境の問題から利用できていない方も多くいらっしゃいます。
このような若年者の場合、医療保険でのリハビリが終了した後は、リハビリを受ける事ができる資源が少ないのが現状です。
当店にも数名お若いご利用者様がいらっしゃいますが、自費リハビリを純粋に唯一のリハビリの場として活用していただいています。


④定期的に専門的意見を取り入れる機会として活用する
当施設では、月に1回などの頻度で通われている方もいらっしゃいます。
自費リハビリ施設の中には、週2回以上などの利用を条件にしているところもありますが、当施設では、「生活と両立させながら自身のペースでのリハビリを支援する」ということに重きを置いています。
ご利用者様の中には、「普段はプールなどに行き、自身でリハビリをしているが、自分でリハビリをしていると、合っているのか間違った方向に向かっているのかわからなくなる。だから定期的に自費リハビリを受けたい」という方がいらっしゃいます。
このような方にも自費リハビリは活用できるということを、ご利用者様から私たちも教えていただけました。

⑤健康維持・介護予防として活用する
ケアマネージャー様の紹介などから、介護予防目的でご利用に繋がっている方もいらっしゃいます。
「デイサービスで運動はしているけど、マンツーマンで細かく指導してほしい」という希望の方も多くいらっしゃるので、そのような方にも自費リハビリはご活用頂けています。

⑥コミュニティの場として活用する
当施設では、会員制を設けており、会員の方はご自身のタイミングで来所していただき、必要な課題や作業をご自身のペースで取り組んでいただくことができます。
スタッフの予約が空いている時間帯では、運動や脳トレだけでなく、一緒に創作活動をする方もいらっしゃいます。
中にはこのような一緒に行う創作活動が楽しみで毎週いらっしゃる方もいらっしゃいます。一つのコミュニティとして、価値を見出していただき、自費リハビリをご活用頂いている事例になります。



以上、自費リハビリの効果的な活用方法について6点紹介させて頂きました。

その方によって、必要としているものが異なりますが、保険外だからこそ柔軟に適切にサービスを届けられるものもあると思っております。

参考にしていただけますと幸いです。


自費リハビリ施設『PIECEs』では、脳卒中等の後遺症に悩まれる方を対象に自費リハビリを提供しています。
お困りの方は、まずはお気軽にお問い合わせください

PAGE TOP