自費リハビリ料金設定と相場について

自費リハビリ料金の相場について

近年自費リハビリの施設や事業者は増えておりますが、その価格は施設によって様々です。

『自費=高額』という印象を持っている方も多いかと思いますが、どのような理由で料金設定がなされていて、相場はどの程度なのか?ということに関して、簡単に解説していきたいと思います。

まず、相場ですが大体60分10,000円~12,000円程度になるかと思います。ただ、事業者によりバラツキはあり、60分15,000円~20,000円程度の施設もあります。

また、訪問型なのか通所型なのかでも、料金設定が変わります。

例えば、訪問の場合は移動時間及び交通費も含まれるため、通所型と比較して割高に設定されていることが多いです。我々の施設も訪問の料金設定は高く設定させて頂いております。

予約の取り方や料金支払いに関しても、事業者により異なります。
”2か月集中的プラン”などコース制を取り入れ、一括でコース料金を支払う施設もあれば、1回1回予約を受けお支払いいただく”単発型”の施設もあります。

それぞれ、メリット・デメリットがあり、どこが良い悪いというわけではないため、ご自身に合った場所を探していただければと思います。

自費リハビリ料金の料金設定について

相場について簡単に見てきました。では、保険外の料金はどのように決められているのでしょうか。


先ほども記載したとおり、事業者によりバラツキがあるため、それぞれの事業者の思いや事業戦略などが料金に反映されているわけですが、基準にしているものはあります。

その基準となるものは、保険下でのリハビリの料金になります。

日本の医療では、一つ一つの医療行為ごとに公定価格が定められています。
我々が病院で医療行為を受けた場合、その医療行為に決められた点数を基に料金が計算されます。

通常、「1点=10円」として計算されますので、例えば、診察料が200点だった場合、200点×10円=2,000円の料金が発生し、自身の負担金に応じた額を窓口で支払います(3割負担の場合、600円の支払い)。

リハビリテーションにおいても、この点数は決まっています。


例えば脳卒中の方が対象となる「脳血管疾患等リハビリテーション料」というものがあります。

これは、病院やクリニックで脳卒中の方にリハビリを提供する場合、算定できる診療報酬のリハビリテーション料になります。

脳血管疾患等リハビリテーション料は(I)(Ⅱ)(Ⅲ)とあり、「脳血管疾患等リハビリテーション料Ⅰ」の場合、1単位(20分)で245点と決まっております。つまり脳卒中の方に20分のリハビリを提供すると2,450円の費用が発生するということになります。

20分で2,450円なので、60分だと7,350円となります。

実際には、この他に様々な加算が追加されたりするため、リハビリを受ける事で発生する料金はこの限りではありませんが、一つの目安になります。

多くの自費リハビリの事業者は、この「脳血管疾患等リハビリテーション料Ⅰ」の『60分7,350円』を一つの基準とし、ここに自身の技術や知識、固定費などを考慮した上での料金上乗せを行い、最終的な料金設定を行っていると思います。


しかし、ここで考えなければならないことがあります。

先ほど、「脳血管疾患等リハビリテーション料は(I)(Ⅱ)(Ⅲ)がある」と記載しましたが、(Ⅱ)と(Ⅲ)では点数が変わります。

「脳血管疾患等リハビリテーション料(II)」は1単位(20分)200点、「脳血管疾患等リハビリテーション料(III)は1単位(20分)100点となっています。

つまり、脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅱ)を算定する場合、『60分で6,000円』。脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅲ)を算定する場合『60分で3,000円』となってしまうのです。


では、このⅠ、Ⅱ、Ⅲというものはどのように決められているのでしょうか。

実は「脳血管疾患別リハビリテーション料Ⅰ」を算定できるためには、以下のような条件があります。
・専任の常勤医師が2名以上勤務している
・医師のうち1名は、脳血管疾患等のリハビリテーション医療に関する3年以上の臨床経験又は脳血管疾患等のリハビ 
 リテーション医療に関する研修会、講習会の受講歴(又は講師歴)を有する
・専従の常勤理学療法士が5名以上勤務している
・専従の常勤作業療法士が3名以上勤務している

上記は条件の一部になりますが、このような条件を満たすことで、「脳血管疾患別リハビリテーション料Ⅰ」を算定できます。

これを見ると、比較的規模の大きい医療機関でないと、「脳血管疾患別リハビリテーション料Ⅰ」は算定することが難しいということがわかります。

そのため、小規模のクリニックなどでは、「脳血管疾患別リハビリテーション料Ⅱ」を算定しているところも多いです。


このように見ていくと、リハビリテーションの料金は単純にセラピストの技術や知識のみに紐づかれているものではなく、「施設基準、人員基準が大きく影響している」ということが言えるかと思います。

自費リハビリ料金の適正な料金とは

ここまで、相場と料金設定についてみてきました。

結局のところ「自費リハビリの適正な料金は?」と聞かれると、明確な答えは難しいですが、保険下でのリハビリテーション料を基準とすることが今のところ一つの答えになりそうです。


料金設定が高めであっても、その施設特有の技術や設備を有している可能性があるので、保険外リハビリを希望される方は、問い合わせをして確認することが良いと思います。


当施設では、60分7,500円(会員の場合は、60分6,600円+月会費5,500円)と、脳血管疾患等リハビリテーション料Ⅰとほとんど同じ料金になっています。

先ほども述べた通り、脳血管疾患等リハビリテーション料というものには、施設基準や設備基準の要素が含まれており、一人のセラピストがリハビリを提供すること自体に、明確な値付けの基準となるものがありません。


そのため、我々が保険外リハビリの事業を立ち上げ、料金設定を考える際、脳血管疾患等リハビリテーション料Ⅰを基準にして良いのかとても悩みました。


事業として継続するために必要な価格設定、利用者様のことを考慮した価格設定、職業価値としての価格設定、様々な視点から検討を重ね、現在の料金設定になっています。

詳しくは料金設定のページをご確認ください。

施設選びの際は、サービス内容と料金設定などを確認し、ご自身にあった場所を選んでいただければと思います。


PIECEsでは、脳卒中等の後遺症に悩まれる方を対象に自費リハビリを提供しています。
お困りの方は、まずはお気軽にお問い合わせください

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